飛行機の乗り方:出発~到着まで詳しく解説

空港到着~出発

出発2時間前には空港へ

国際線を利用する場合、目安として「出発2時間前までに空港へ到着する」ようにしましょう。但し、世界的な観光回復で混雑する空港が増えていますので、特に休暇シーズンに旅行する方、海外旅行に不慣れな方、大型空港を利用する方は、余裕をもって3時間前に到着するくらいが安心です。

チェックイン&荷物預け

チェックインカウンターと自動チェックイン機
必要なもの

・パスポート
・航空券(Eチケット)
・預け荷物(※機内持ち込みだけなら不要)
・渡航先の入国に必要なワクチン証明/陰性証明など(※該当する場合)

チェックインとは?

チェックインとは「搭乗券を発行する手続きのこと(搭乗手続きとも呼びます)」。鉄道は切符だけで乗車できますが、飛行機は航空券のデータをもとに「搭乗券」を発行する必要があります。搭乗券には氏名・便名・搭乗ゲート番号・搭乗時刻・座席番号などが記されています。

チェックインの方法は?

チェックインは航空会社のチェックイン・カウンターで行うか、航空会社によっては自動チェックイン機オンライン・チェックインを利用できる場合もあります。

なお、ツアー利用の場合は、空港内の旅行会社カウンターで手続きをする場合もありますので、出発前のツアー案内をよく確認しておきましょう。

 方法1  航空会社のカウンター

最も一般的なチェックイン方法です。係員さんが手続きをしてくれるので安心+手荷物もその場で預けることができます。

  • 空港の出発ホールで利用する航空会社のチェックイン・カウンターを探します。
    ※コードシェア便の場合は運航会社の航空会社カウンターへ(→コードシェア便とは?
  • カウンターは座席クラス別になっていますので、自分が利用するクラスの列に並びましょう。
  • 順番が来たら係員さんにパスポートと航空券を出します。
  • 預け荷物があればカウンター横の台に置きます。
  • 搭乗券とパスポートを受け取ります。
  • 荷物を預けた場合は、荷物用タグ(バーコードの入ったラベル)を受け取ります。

 方法2  自動チェックイン機

航空会社のチェックインカウンター付近にある自動チェックイン機で、画面を操作しながら自分でチェックイン手続きをする方法です。操作方法は航空会社によって異なりますが、基本的な流れは次のとおりです:

  • 予約内容を読み込む(パスポートを読み取る、Eチケットの予約番号を入力するなど)
  • 画面の案内に従って、「搭乗者情報の確認(ローマ字氏名・パスポート番号・有効期限など)」「危険物を所持していないかを確認」「座席の確認・変更」などを行います。
  • 搭乗券が発行されます(印刷 or デジタル搭乗券)
  • 預け荷物がある場合は、荷物預けカウンター(Baggage Drop)へ。

 方法3  オンライン・チェックイン

オンライン・チェックインは、スマホアプリやウェブ画面上から自分でチェックイン操作をするものです(webチェックイン、セルフチェックインなど、呼び方は航空会社によります)。空港の列に並ぶことなく、自宅や空港への移動中にチェックインを済ませることができるので便利です。操作方法は航空会社によって異なりますが、基本的な流れは以下の要領です:

  • アプリやPCでオンラインチェックイン画面を開く
  • 画面の案内に従って、搭乗者情報の確認(ローマ字氏名・パスポート番号・有効期限など)、危険物ルールの確認、座席の確認・変更などを行います。
  • 搭乗券が発行されます
    →受取り方法は、①モバイル搭乗券(スマホに保存)/ ②自分で印刷 / ③空港で受け取り(※航空会社によってルールが異なるので必ず事前に確認を)
  • 預け荷物がある場合は、荷物預けカウンター(Baggage Drop)へ。

保安検査

必要なもの・準備
  • 搭乗券(パスポートの提示を求められる空港もある)
  • 以下の物品はバッグから取り出せるようにしておく:
    • 金属類(腕時計、ベルトetc.)
    • スマホ / タブレット / PC
    • 液体物(100㎖以内の容器に入れ、封ができるビニール袋にまとめる)
  • シューズのタイプによっては(くるぶし丈以上のものや、厚底シューズなど)、脱いで靴用トレーに置くよう指示されます。

保安検査場の入口にはたいてい「出発/Departures」の大きな表示がありますので、これを目印に探してください(空港の公式サイトで案内マップを見ておけば万全です)。

保安検査場ではボディチェック手荷物検査(X線検査)をします。検査自体は数分で終わりますが、混雑時は順番待ちに時間がかかります。空いている時でも、遅くとも搭乗時刻の1時間前には保安検査の列に並ぶようにしましょう。

保安検査の手順
・係員に搭乗券を見せる
・トレーに荷物を載せる(金属類・PC・スマホ・液体物などはバッグから取り出す)
・ボディチェック
・荷物を受け取る

税関(※該当する人のみ)

※当てはまらない人はスルーして出国審査へ
100万円を超える現金や、高価な物品(ブランドバッグ、貴金属類)を持って海外に出国する場合は、「税関申告書」の記入・提出が必要です。

税関はどこにある?
保安検査から出国審査に向かう途中に、税関のカウンターがあります(特にゲートが置かれているわけではありません)。

出国審査

必要なもの・準備

・パスポート(顔写真のページ)
・搭乗券 *係員ブースを利用する場合

出国審査の方法には以下のいずれかの方法があります。
顔認証ゲート
パスポートを機械で読み取り、正面パネルで顔認証を行います(スタンプは押されません)
係員ブース
パスポートと搭乗券を提出(パスポートにスタンプが押されます)
自動化ゲート
※事前に登録した人専用のゲート。パスポートと指紋を読み取ります(スタンプは押されません)

主要空港では顔認証ゲートの導入が進んでいます。出国スタンプが必要な方は、はじめから係員ブースに進むか、顔認証ゲート/自動化ゲートを出たところにいる職員に申し出ればスタンプを押してもらえます。

搭乗ゲートを確認する

出国審査を終えたら案内板で搭乗ゲートの位置を確認しましょう。搭乗ゲートの番号は搭乗券に記されています。但し、ゲート番号は突然変更になることもあり、その場合は、案内板に最新のゲート番号が表示されますのでそちらに従ってください。

大きな空港になると、ゲートまでの距離が遠かったり、シャトル電車での移動が必要になったりすることもありますので、時間に余裕をもって移動しましょう。

案内板の意味
Check-Inチェックイン受付中
Go To Gate搭乗ゲートでお待ちください
New Gate最新のゲート番号(変更があった場合に表示されます)
Boarding搭乗中(搭乗が始まっている)
Final Call / Last Call最終案内(まもなく搭乗締切)
Gate Closed搭乗が締め切られました ※飛行機には乗れません

出国審査を終えてゲートを確認したら、搭乗時刻までフリーです(※出発時刻ではない)。既に出国をしているので免税店もこのエリアに並んでいます。時間に余裕があればショッピングや飲食をして過ごすことも可能。また、利用資格のある人なら航空会社やカード会社のラウンジでゆっくり待機することもできます。

搭乗・出発

必要なもの

・パスポート(顔写真のページ)
・搭乗券

搭乗の順序に従って機内へ
搭乗時刻になると、機内への搭乗アナウンスが流れます。搭乗には順番があり、航空会社のルールに沿って呼び出されますので、自分の順番が来るまでアナウンスをよく聞いて待機しましょう。一般的に「乳幼児連れ・ヘルプが必要な人」→「上位クラス」/「ステイタス会員」→「エコノミークラス」の順に呼ばれます。エコノミーの場合、航空会社によって座席番号順だったり、搭乗券に記載されたグループ番号順だったりします。

自分の座席へ
搭乗券に記された自分の座席番号へ進みます。通路が2本ある大型機の場合は、座席番号のアルファベットが記された通路へ。飛行機の入口で乗務員さんに搭乗券を見せるとスムースです。

手荷物を収容する
・荷物は「頭上の物入れ」または「足元スペース(前の座席の人の下)」に入れます。
・自分の座席の頭上スペースが埋まっていたら、他の空いているスペースに入れても構いません。頭上の物入れは共有ですが誤解している人もいるので、乗務員に声をかけて手伝ってもらうと安心です。

離陸時の安全ルールに従う
・シートベルトを締める
・テーブル、ひじ掛け、リクライニングは使わない
・スマホなどの通信機器はスイッチOFFまたは機内モードに(航空会社によって異なる)
・安全のビデオやシートポケットにある案内にも目を通しましょう

機内での過ごし方

機内の設備・サービス

離陸後しばらくすると機内サービスについてのアナウンスがあります。サービス内容は航空会社や座席クラスによってさまざまですので、事前に利用する航空会社のウェブサイトで確認することをお勧めします。

■機内食
・機内食の時間になると乗務員さんが順番に提供をしてくれます。
・メニューを選べる場合はその場で希望を伝えます。但し、順番が遅いと希望のメニューが品切れすることもあります。
・アレルギーや宗教上の理由などの制約がある人は「特別食」を事前予約することもできます(航空会社による)。
・ドリンクも定期的に回ってきますが、それ以外のタイミングでも乗務員さんを呼べば持ってきてもらえます。

■ブランケット
航空会社や路線によって、最初から座席に置いてある場合もあれば、乗務員さんが機内を回って必要な人へ渡す場合、近距離路線だとそもそも提供されない場合もあります。シートベルトはブランケットの上から締めます。

■個人用モニター/機内エンターテインメント
個人用モニターが装備されたフライトでは、機内エンターテインメントや各種ガイドを見ることができます。

映画・音楽・ゲーム
楽しめるコンテンツの種類や数は航空会社によって異なりますが、日本語コンテンツは日系航空会社のほうが充実しています。好きなコンテンツが揃っているとは限りませんので、タブレット端末にあらかじめダウンロートしておくのもお勧めです。

フライト情報
フライトマップで飛行ルートや今どこを飛んでいるのか確認できます。また出発地からの距離、到着地までの残り時間、外気温、対地速度なども表示されています。

入国・乗り継ぎ案内
航空会社によっては、到着地の入国ガイド、乗り継ぎ便の時刻やゲート案内などをモニターで案内しています。

■機内WiFi
WiFiが使える国際線フライトも増えていますが、有料プランがほとんどです(ファースト/ビジネスクラスは無料で提供されることもある)。

■トイレ
・ベルト着用ランプが消えている間に利用できます。
・個室に入ったら「ロック」を忘れずに!(ロックをすると照明がつきます)
・流水ボタンの英語表記は「Flush」です

■シート
・リクライニングを使う際は、後ろの乗客を確認してから倒しましょう。
・離着陸時や食事タイム、その他アナウンスがあればシートを元に戻します。

■電源・USBポート
・航空会社や使用機材によりますが、個人用モニターのがついている飛行機には電源やUSBポートも装備されていることが多いです。電源は隣りの人と共用になっている場合もあります(席と席の間に配置)。

快適に過ごすには

■服装
・締め付け感のない服装がおすすめ。
・カーディガン、ダウン、ストールなど、脱ぎ着がしやすいもので適温コントロールを。
・むくみ防止に着圧ソックスもおすすめです。

■乾燥・脱水に注意
・機内は湿度が低く、長距離路線では20%以下にまで下がると言われます。
・保湿対策として保湿クリームを使ったり、定期的に水分を補給したりするようにしましょう。
・アルコールは利尿作用から脱水症状に陥りやすいだけでなく、機内は気圧が低いため地上よりも酔いやすくなりますので、飲酒量にも気を付けましょう。

■寒さ対策
・航空会社によりますが、機内の温度は25℃前後で調整されています。
・冷え性の方は(特に長距離路線では)ブランケット、靴下、上着などの防寒対策をしましょう。

■本・音楽・映画などを持参しよう 
機内エンターテインメントが充実していればいいのですが、必ずしも好みのコンテンツがなかったり、外資系エアラインだと日本語のチャンネルが限られていたり、フライトによってはそもそも個人モニターがなかったり…。

そんな場合に備えて、お気に入りの本や雑誌、音楽・動画コンテンツを用意しておきましょう。なお、機内はオフライン環境なので音楽・動画コンテンツは事前にダウンロードしておくこと。本や雑誌も電子書籍として持ち込めばスペースをとらず何冊も持ち歩くことができて便利です。

■その他機内に持参しておくとよいもの
ボールペン・・・行き先によっては機内で入国カードや税関申告書が配られますので、黒ボールペンを持っておくと便利。忘れたら乗務員さんに貸してもらいましょう。
・ネックピロー・・・長時間フライトや夜行便ではネックピローがあると便利。
のど飴・・・乾燥で喉の調子が悪くなることも。
・ペットボトルの水・お茶など・・・蓋ができるので常備するのに○。航空会社によっては機内で配られることもあります(JAL/ANAの一部路線など)。

到着・入国

着陸~降機

目的地が近づくとベルト着用サインが点灯し、着陸に備えてアナウンスが入りますので、着席してテーブルや座席を元に戻します。その後はトイレに立てなくなりますので早めに済ませましょう。

着陸後は、飛行機が完全に停止してベルト着用サインが消えるまでは座席で待ちましょう。その後、機内アナウンスに沿って順番に降機し、「入国審査」へ進みます(次項)。

乗り継ぎがあるときは?

乗り継ぎは英語でトランスファー(Transfer)やコネクティング・フライト(Connecting Flight)と言い、経由地で飛行機を乗り換える必要があります。搭乗券もそれぞれに必要です。

乗り継ぎの手順は国・空港によって異なるため、事前に航空会社のサイトで乗り継ぎの案内を確認し、出発空港のチェックイン時に係員さんに手順を確認するようにしましょう。

参考までに、最もよくある手順は以下のとおりです:
降機したらTransferの表示を探す
➡ Transferカウンターで次のフライトの搭乗券を発行してもらう
(出発空港で受け取っている場合はそのまま保安検査へ)
➡Transfer用の保安検査
➡次のゲートへ進む
➡搭乗

※ 上記は「出発空港で荷物を最終目的地まで預けた場合」を前提としています(荷物が経由地止まりの場合は、一旦入国をして荷物を引取り、再びチェックインが必要です)。

入国審査 | Immigration

■入国審査場へ進む
飛行機を降りたら入国審査場へ進みます。空港によって表現はさまざまですが、「Immigration」「Arrival」「Passport Control」などと書かれた案内板に沿って進みます。

※「到着ビザ(Visa on Arrival)」を取得する場合は、入国審査の手前に手続きカウンターがありますので、ここでパスポートや必要書類・費用を提出して到着ビザの交付を受けたあと、入国審査へ進みます。

■審査場の列に並ぶ
入国審査場のカウンターは一般的に自国民用のレーンと外国人レーンに分かれています。外国人レーンは「Foreign Passport」「Non-Citizens」などと書かれていますので、ここに並んで順番を待ちます。

■入国審査を受ける
パスポート、入国カード
(提出が必要な国の場合)を出して入国審査を受けます。国によっては顔写真や指紋をとられることもあります。また、入国目的や滞在日数を聞かれたり、帰路(出国用)航空券の提示を求められることもあります。

審査が終わるとパスポートにスタンプを押して返されます。

近年は自動化ゲートを導入する国・空港もあります(例:シンガポール チャンギ空港)。

預け荷物の受け取り | Baggage Claim

■預け荷物を受け取る
・飛行機に荷物を預けた人はここで引取りをします。受け取り場所は Baggage Claimと呼びます。
・乗ってきた便名が表示されたターンテーブルで荷物を引き取ります。
・スーツケースは似通ったものが多いので、必ず自分のものであることを確認してください。荷物についているタグにローマ字で搭乗者の名前が入っています。

税関|Custom・検疫|Quarantine

■税関
・税関は持ち込み品のチェックを行う場所です(免税範囲を超えていないか、禁止品・既製品を持っていないか等)。
 → 申告の有無によって、赤(申告あり)/グリーン(申告なし)のレーンを分けていることが多いです。申告が必要な場合は、ここで申告手続きや関税の支払いをします。
・国によっては申告の有無にかかわらず「税関申告書」の提出が必要な場合があります(申告書は機内で配布されるか、税関に備え付けてあります)。

■検疫
・検疫は外部から病原体や有害物質の侵入を防ぐために、入国者の渡航歴や持ち込み品が検疫対象となるかをチェック・管理する場所です。対象となる項目やルールは国によって異なります。
・申告するものがある場合は、検疫カウンターへ申告をします。
・検疫カウンターはほとんど気づかずに通り過ぎることも多いですが、オーストラリアのように厳しくチェックをする国もあります。

到着ロビーへ

税関・検疫を通過すれば到着ロビーです。ツアーなどで空港送迎が用意されている場合は、この到着ロビーでプラカードを掲げた係員が待っているはずです。

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